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アラスカン・マラミュート (Alaskan Malamute)
FCI スタンダード No.243
■原産地
 アメリカ合衆国
■用途
橇犬
■FCI分類
グループ5   スピッツ&プリミティブ・タイプ
セクション1 北方のそり犬
■沿革
アラスカ西部の海岸地方に住んでいたアメリカ・エスキモーのマラミュート族がそり引きや狩猟や 漁業に使用していた犬である。
祖先犬はシベリア原産の犬と想像されている。
アラスカン・マラミュートは白人がアラスカに上陸するまで純粋が保たれていたが、白人の上陸後賞金を賭けたそり引きレースが流行するようになり、他犬種との雑交がみられるようになった。
特に1909年からの10年間はその傾向が強かった。
しかし、間もなく米国本土でもそり引きレースが行われるようになって純粋犬保存運動がおこり、1926年以降改良がくわだてられた。
AKCにおけるこの犬種の登録第1号は1935年に記録されている。
■一般外貌
アラスカン・マラミュートは北極の橇犬としては最古の犬種の1つで、深い胸と、筋肉のよく発達したボディの、力強い犬である。
立姿は指趾をしっかりと握って立ち、非常に活動的で、頭部を誇り高くかかげ、目は注意深くかつ興味と好奇心を示している。
頭部は幅広い。耳は三角形で、警戒時には直立している。
マズルは大きく、付け根から鼻に向かってほんの僅かに幅が狭くなる。
マズルは尖っていないし長くも短くもない。被毛は厚く、粗毛であるが、ウーリーな下毛を保護するのに十分な長さである。
マラミュートには様々な毛色が見られる。
顔のマーキングは顕著な特徴である。
頭部のキャップと、顔は全てホワイトか、線或いはマスク、またはその両方がある。
尾は被毛が豊富で、背負っており、波状の羽飾りの様に見える。マラミュートは骨量があり、健全な脚、丈夫な足、深い胸、力強い肩を有し、効率的な作業をするために必要なその他の肉体的特長を備えている。
歩様は安定し、バランスが取れ、疲れ知らずで、非常に効率的である。
この犬種はスピード競技ののために作出されたレース用の橇犬ではない。マラミュートは力強さと耐久力に富んだ犬種として作出されたものであって、この目的を達成するのに障害となる如何なる特徴(気質を含む)も重大な欠点と見なされる。
■重要な比率 
胸深は、体高の約2分の1である。
胸の最も深いところは前脚のすぐ後ろにある。
体長は、体高よりやや長い。
■習性/性格 
アラスカン・マラミュートは愛情深く、友好的で、ワン・マン・ドッグではない。
忠実で、献身的なコンパニオン・ドッグで、いつでも遊びに乗ってくる。
しかし、成犬になると通常、威厳が備わり貫禄が備わる。

頭部(ヘッド)
頭部は幅広く、深く、粗野でも、不恰好でもなく、犬のサイズと釣り合っている。
表情は柔らかく、愛情豊かな性質を示している。
頭蓋部(クラニアル・リージョン)
スカル  
耳と耳の間は幅広く、適度な丸みがある。
スカルの頂上は目に近づくに従って、幅狭く、平らになり、頬に近づくとまた丸みを帯びる。目の間には僅かな額溝がある。
スカルのトップラインとマズルのトップラインはストップにおいて、僅かに下がる。
ストップ  
浅い
顔部(フェイシャル・リージョン)
鼻(ノーズ)
レッド以外の全ての毛色において、鼻、唇、目緑の色素はブラックであること。
レッドの毛色のもののみ、ブラウンが許容される。
マズル  
スカルのサイズに比例して大きく、太く、スカルの接合点から鼻先に向けて、幅も深さも徐々に狭まる。
唇(リップス)
上唇、下唇が接して引き締まっている。
顎/歯(ジョーズ・ティース)
顎は幅広く、歯は大きい。
シザーズ・バイトである。オーバーショットやアンダーショットは欠点とみなされる。
目(アイズ)
スカルに対して、斜めについている。目はブラウンで、アーモンド形、中くらいの大きさである。
ブルーの目は失格とみなされる。
耳(イヤーズ)
中位のおおきさだが、頭部に比して小さい。
耳は三角形で、先端は僅かに丸みを帯びている。
スカルの後部の外端の目尻と同じライン上に、広く離れて付いている。
直立時には、スカルから離れてついているように見える。
直立した耳は僅かに前方に傾斜しているが、作業時には、耳はスカルに対して折り畳まれている時がある。
付け根の高い耳は欠点とみなされる。
頬(ネック)
力強く、適度にアーチしている。
ボディ 
  コンパクトな体躯構成をしているが、カプリングは短くない。ボディは重すぎず、骨はボディに釣り合った骨量である。
背(バック)
真っ直ぐで、尻に向かって徐々に傾斜している。
腰(ロイン) 
硬く、筋肉がよく発達している。背を弱くするような長い腰は欠点とされる。
胸(チェスト)
よく発達している。
尾(テイル)
付け根は脊柱に連なってついている。
作業時以外では、背負っている。スナップ尾や背に向かってきつく巻かれているような尾ではない。
又、狐の尾のような短い被毛ではない。
マラミュートの尾は被毛が豊富で、波状の羽飾りのように見える。
四肢(リムズ)
前肢(フォアクォーターズ)
前脚は骨量があり、筋肉質で、前望すると、パスターンに向かって真っ直ぐである。
肩(ショルダー)
適度に傾斜している。
中手(パスターン)(メタカーパス)
短く、力強く、側望すると僅かに傾斜している。
後肢(ハインドクォーターズ)
後脚は幅広い、後望すると、脚は前脚と同じライン状で動いており、近すぎても離れすぎてもいない。
後脚のデュークローは好ましくなく、仔犬は誕生時に切除する。
大腿(アッパー・サイ)
力強く筋肉が発達しており、幅広い。
膝(スタイフル)
適度に曲がっている。
飛節(ホック・ジョイント)
適度に曲がっており、低い位置についている。
足(フィート)
雪靴(スノー・シュー)タイプで、緊握し、パッドは厚く弾力がある。
丈夫で、コンパクトに見える。
足は大きく、指趾は緊握し、よくアーチしている。指趾の間には保護毛が生えている。パッドは厚く、タフで、指趾の爪は短く、頑丈である。
■歩様(ゲイト/ムーブメント)
マラミュートの歩様は安定しており、バランスがとれ、力強い。
サイズと体躯構成のわりには敏捷である。
側望すると、後肢は力強い推進力を生み出し、その推進力はよく筋肉の発達した腰から前肢へと伝わる。前肢は後肢からの推進力を得て、スムーズなストライドをする。 前望しても、後望しても、脚は真っ直ぐに動き、脚は近すぎても離れすぎてもいない。
速いトロットをすると、足はボディの中心線に集中する。竹馬歩様や完全に効率的でない歩様、疲れそうな如何なる歩様も重大な欠点となる。
被毛(コート)
 毛(ヘアー)
マラミュートの被毛は厚く、上毛は粗い保護毛で、決して長くも柔らかくもない。
下毛は密で、2.5cmから5cm、脂性で、ウーリーである。
粗い保護毛は下毛同様に、長さが様々である。
ボディの側面に沿って比較的短いものから中位の長さで、肩や頸周り、頸から背にかけて、又、背から尻にかけて、ブリーチング、プルームと徐々に長くなる。
マラミュートは自然な状態のまま出陳される。
トリミングについては、足をすっきりさせるためのカット以外は許容されない。

毛色(カラー)

通常の毛色は、ライトグレーからブラックまでの色と、セーブルからレッドまでの色と様々である。
下毛における混色、ポイントやトリミングにおける混色は許容される。
許容される単色はホワイトのみである。
下腹部、脚の一部、足、顔部の一部にあるマーキングにおいてホワイトは常に優勢な色である。
額にあるホワイトのブレーズやカラー、又は項にあるスポットは魅力があり、許容される。
マントを着たようなものや、ボディまでカラーが流れたものや不均等な散らし模様は好ましくない。
■サイズ 
この犬種においては様々なサイズが見られる。
好ましいサイズ:
牡:体高63.5cm  体重38kg
牡:体高58.5cm  体重34kg
しかしながら、サイズがタイプやプロポーション、ムーブメント等よりも重視されてはならない。
犬のタイプやプロポーション、ムーブメント等が同等であると審査された場合、理想的なサイズに最も近いものが好ましい。
■重要な要点
アラスカン・マラミュートを審査する際には、橇犬として北極で重いものを運搬する機能を有していることが何よりも考慮されなければならない。
欠点の程度については、理想的なマラミュートのスタンダードからどの程度逸脱しているかと、それが犬の作業能力にどれだけの影響を与えるかによって判断する。
マラミュートの脚には並外れた力強さと、多大な推進力が見られる。
静止時や動いている時の、前後肢に見られる如何なる不健全さも重大な欠点とみなされる。
このスタンダードの元では、スプレイ・フイートやカウ・ホック、弱いパスターン、真っ直ぐな肩、角度のない肩、竹馬歩様(その他、バランスが取れていない歩様や力強くない歩様、不安定な歩様等)、四肢のひょろ長いもの、アンギュレーションの浅いもの、動作の鈍いもの、骨量のないもの、全体的にプロポーションの悪いものは欠点とみなされる。
■欠点 
上記の点からのいかなる逸脱も欠点とみなされ、その欠点の重大さは逸脱の程度に比例するものとする。
■失格
・ ブルーの目
・ 陰睾丸。