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ボルドー・マスティフ (Boudeaux Mastiff)
FCI スタンダード No.116
■原産地
フランス
■用途
護衛、護身、諫止(いさめる)のための犬
■FCI分類
グループ2 ピンシャー&シュナウザー、モロシアン犬種、スイス・マウンテン・ドッグ&スイス・キャトル・ドッグ、関連犬種
セクション2 モロシアン犬種
■沿革
ボルドー・マスティフ(ドッグ・ド・ボルドー)は古代フランス犬種の中でも最も古い犬種の一つであり、おそらくアラン(中世ヨーロッパにいた大型犬)の子孫だと思われている。
14世紀頃にフォワ州のガストン・フェブス伯爵によって書かれた『狩猟の本』には、「アラン・ヴォートル」は「3頭のサイトハウンドの咬筋を合わせたよりも強い咬筋がある。」と書かれている。
“dogue”(ドッグ)という言葉は14世紀末に初めて登場した。
19世紀中頃、これらの古代“dogue”はアキテーヌ地方以外ではほとんど知られていなかった。
この犬種は猪などの大きな獣を捕らえるために用いられ、闘犬として、又、家や家畜を守らせたり、肉屋の番犬として用いられていた。
1863年には、パリの動物園でフランスで始めてのドッグ・ショーが開催された。
その時初めて現在の名称、ボルドー・マスティフ(ドッグ・ド・ボルドー)として出陳された。
これらには異なるタイプがある。
トゥールーズ・タイプ、パリ・タイプ、ボルドー・タイプがおり、これが今日の“dogue”(ドッグ)の起源である。第2次大戦中、非常に苦しみぬき、第2次大戦後、絶滅の恐れがあったこの犬種は1960年に再出発した。
■一般外貌
窪んだラインのある短頭蓋という典型的なモロシアン・タイプ。
ボルドーマスティフは非常に力強い犬で、ボディも非常に筋肉質だが、調和のとれた外貌である。
また、比較的地低く、胸底から地面までの距離は胸深より僅かに短くなっている。
がっしりしており、筋骨たくましく、堂々とし、諫止(いさめる)するような外貌をしている。
重要な比率
体長は、体高を上回り、比率は11対10である。胸深は体高の半分以上である。
マズルの長さは最高で頭長の3分の1、最小で頭長の4分の1の長さに等しい。
牡においてはスカルの円周は、体高とほぼ同じである。
■習性/性格
古代の闘犬であるボルドー・マスティフは護衛する能力がすぐれ、用心深さと多大な勇気により、攻撃性を見せることなく護衛する。
良い伴侶であり、主人をよく慕い、非常に愛情深い。落ち着きがあり、刺激の強さに対する安定が取れている。
牡は一般的に支配的な性格をしている。
頭部(ヘッド)
大きく、骨張っており、幅広で、どちらかというと短い。
上望しても、前望しても、台形である。
頭蓋部(クラニアル・リージョン)
牡:一番幅の広い部分で測ったスカルの円周は、体高とほぼ同じ。
牝:スカルの円周の方が体高より僅かに短い。
頭蓋部の大きさと形は、非常に重要な側頭部や眼窩上のアーチ、頬骨のアーチ、下顎枝の間隔の発達に対応している。
スカルの上部の端から端までは僅かに凸状になっている。ストップは非常に眼瞭であること
。又、マズルに対してほぼ直角(95度から100度)であること
。額溝は深く、頭部の後ろに近づくに従ってなくなる。
前顔部が顔のほとんどを占めている。
高さより幅の方がある。頭部には額溝の両側は左右対称の皺による筋が入っている。
深い皺は、犬が注意を払っているか否かにより変化する。
顔部(フェイシャル・リージョン)
鼻(ノーズ)
幅広で、鼻孔はよく開いており、マスクに調和して色素が濃い。
上向きの鼻(しし鼻)は許容されるが、これが顔にめり込んでいるものは好ましくない。
マズル
力強く、幅広で、厚いが、目の下は肉厚ではなく、どちらかというと短い。
側面の上部は微かに窪んでおり、適度に明瞭な皺が入っている。
マズルの先端でも幅はほとんど変わらず、上から見ると、スクエアである。
マズルのラインは、スカルの上部に対し、鈍い角度で上を向いている。
頭部が水平に保持されている時、短く、厚く、根元が幅広のマズルの先端は、鼻より前に出る。マズルの周囲は頭部の周囲の3分の2の長さである。
マズルの長さは、頭部の3分の1から4分の1である。
この長さは、好ましい長さではなく、理想的なマズルの長さはこの中間である。
顎(ジョーズ)
非常に力強く、幅広い。アンダーショット(アンダーショットはこの犬種の特徴の一つ) 下顎の切歯は、上顎の切歯よりも前に出ており、接触していない。
下顎はターン・アップしている。
顎はよく目立ち、上顎に過度に重なってはならず、上顎に覆われていてはならない。
歯(ティース)
全体的に丈夫だが、特に犬歯が強い。
下顎の犬歯はよく離れており、僅かにカーブしている。
切歯はきれいに並んでおり、特に下顎の切歯は真っ直ぐである。 上唇(アッパー・リップ)
厚く、適度に垂れ、伸縮自在である。
側望すると、上唇のラインは丸みを帯び、下顎の側面を覆っている。
前望すると、上唇の端は下唇と接触し、その後、側面に下がるので、幅広の逆Vを描いている。
頬(チークス)
筋肉がたいへん発達しているので、明瞭である。
目(アイズ)
オーバル(卵型)で、広く離れてついている。
目頭と目頭の間の広さは、目の長さ(目の開いている幅)の2倍に等しい。
素直な表情。瞬膜は見えてはならない。
色:ブラック・マスクの犬に関してはへーゼルからダーク・ブラウンまで許容され、明るい色も許容されるが、ブラウン・マスクやマスクのない犬に関しては明るい色は好ましくない。
耳(イヤーズ)
比較的小さく、被毛よりも僅かに濃い色である。
付け根は前側が僅かに持ち上がっている。
耳は垂れていなければならないが、柔らかすぎてはいけない。
注目している時には、前側の端は頬に近くなる。
耳朶は僅かに丸みを帯び、前に伸ばしたとき目を超えてはならない。
付け根はどちらかというと高めで、スカルの上と同じ高さについており、スカルの幅を更に強調している。
頸(ネック)
非常に力強く、筋肉質で、円柱に近い。
皮膚はしなやかで、十分であり、ゆるい。
頸の周囲は頭部の周囲とほぼ等しい
。頭部との境は、僅かに目立つ細長い溝により分けられており、うなじは僅かにカーブしている。
頭部との接合部は僅かに凸状になっている
。明瞭なデューラップが、喉のあたりから始まり胸まで続くが、過度に垂れ下がることはない。
頸は根元が非常には幅広く、肩に自然に連なっている。
ボディ
トップライン
幅広く、筋肉質で頑丈な背。キ甲は明瞭で、幅広い腰である。
腰は、どちらかというと短く、頑丈。
尻は尾の付け根に向かって、適度に傾斜している。
胸(チェスト)
胸は幅広く、力強く、長く、深くて、肘より低い位置まで達している。
幅広で力強い下胸は下に向かって凸状になっている。
肋は下までよく張っているが、樽胴ではない。胸囲は体高より25cm〜30cm長い。
アンダーライン
深い前胸からカーブし、いくぶん巻き上がっており、腹部はしっかりしている。
垂れ下がってもおらず、ウィペットのようでもない。
尾(テイル)
付け根が非常に太い。
尾の先端は飛節に達しているのが好ましく、それより下に達しているのは好ましくない。
低く保持されており、形状が損なわれた尾でも、よじれ尾でもなく、しなやかである。
静止している時には下がっており、動いている時には、通常その位置から90度から120度上がっているが、尾が背にかかったり、カールすることはない。
四肢(リムズ)
前肢(フォアクォーターズ)
力強い骨組みをしており、脚はきわめて筋肉質である。
肩(ショルダーズ)
力強く、筋肉が目立つ。
肩甲骨の傾斜はほどよく、肩甲骨と上腕骨の接合の角度は90度より僅かに大きい。
腕(アームズ)<BR> きわめて筋肉質である。
肘(エルボーズ)
近すぎることもなく、外向もしていない。
前腕(フォアアームズ)
前望すると、真っ直ぐであるか、僅かに内向している。
特に牡は胸幅が広い。側望すると、垂直である。
中手(パスターン)(メタカーパス)
力強い。側望すると、僅かに傾斜している。
前望すると、時々、僅かに外向しているので前腕が僅かに内向する傾向があるのを補っている。
足(フィート)
力強い。
指趾は緊握し、爪はカーブし、丈夫。
パッドはよく発達しており、しなやかである。
体重は重いが、指趾でボディを支えている。
後肢(ハインドクォーターズ)
強い骨組みの頑丈な脚は、十分な角度がある。
後望すると、後肢は平行で、垂直なので、前肢に較べるとそれほど幅広ではないものの、力強い印象を与える。
大腿(サイ)
肉厚で、目に見えるほど筋肉が発達している。
膝(スタイフル)
僅かに外向している。
下腿(セカンド・サイ)
大変短く、筋肉質で、下まで達している。
飛節(ホック)
短く、丈夫で、ほどよい開き具合である。
中足(リア・パスターン)(メタタータス)
頑丈で、デュークローはない。
後足(ハインドフィート)
前足より僅かに長く、指趾は緊握している。
■歩様(ムーブメント)
モロシアン・タイプにしてはきわめて柔軟である。
常歩(ウォーク)時の歩様は自由で、しなやか。低身な歩様である。
後肢の十分な推進力により前脚も十分遠くまで伸びるが、この歩様は特にトロットの時に好まれる。
トロットが速くなると、トップラインは前に傾斜し、頭部も下がり気味になり、前足は前脚の大きなストライドで中心線に寄ってくる。
垂直な動きをともなうショートギャロップはかなり重要である。
地面の近くで駆け足をすることにより、短い距離でスピードを 出すことが出来る。
皮膚(スキン)
厚く、十分にゆとりのあるつき方である。
被毛(コート)
毛(ヘアー)
細かく、短く、手触りが柔らかい。
毛色(カラー)
単色のフォーンで、マホガニーからイザベラからまで許容されるが、色素の濃いものが望ましい。
白の小斑は胸と足先にのみ許容される。
マスク
1・ブラック・マスク:マスクは僅かな幅で広がり、頭蓋部にまで及んではならない。スカルや耳、頸、ボディの上部には僅かなブラックのシェーディングが許容される。
鼻は黒い。
2・マロン・マスク:(レッドやブリストルと呼ばれているもの。)鼻は栗色で、目縁も栗色である。
3・マスクがないもの:コートはフォーンで、皮膚はレッドに見える(以前は“レッド・マスク”と呼ばれていた)。
鼻は赤やピンクに近い。
■サイズ
体高
体高は、スカルの周囲とほぼ一致している。
体高
 牡:60〜68cm
 牝:58〜66cm
1cmまでのアンダーサイズと2cmまでのオーバーサイズは許容される。
 牡:最低限 50kg
 牝:最低限 45kg
■欠点
上記の点からいかなる逸脱も欠点と見なされ、その欠点の重大さは逸脱の程度に比例するものとする。
■重大欠点
・ 頭部が短く、丸みを帯び、出目のもの。
・ ブルドッグのようなもの。すなわち、スカルが平らで、マズルが頭部の4分の1より短いもの。
・ 下顎の湾曲。
・ 口を閉じていても、切歯が常に見えているもの。
・ 尾の先端や前脚の前側、手根や飛節の上がホワイトのもの。
■失格
・ 長く、狭い頭部で、ストップが十分に明瞭でなく、マズルが頭部の3分の1以上あるもの(頭部のタイプの欠如)。
・ マズルがスカルのトップラインに平行であったり、ダウン・フェイスであったり、ローマン・ノーズのもの。
・ 顎がねじれているもの。
・ 口がアンダーショットでないもの。
・ 口を閉じている時でも常に、犬歯の見えているもの。
・ 口を閉じている時も常に舌が見えているもの。
・ スクリュー・テイル、キンク・テイル。
・ 萎縮した尾。
・ フィドル・フロント。
・ 逆飛節。
・ 頭部やボディにホワイトがあるもの。フォーン以外の毛色。
・ 見た目にも分かるほど不自由な欠陥があるもの。
・ 陰睾丸。