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アメリカン・コッカー・スパニエル (American Cocker Spaniel)
FCIスタンダード N0.167
■原産地
アメリカ合衆国
■用途
フラッシング・ドッグ、コンパニオン
■FCI分類
グループ8  レトリーバー、フラッシング・ドッグ、ウオーター・ドッグ
セクション2 フラッシング・ドッグ
■沿革
1620年、メイフラワー号でアメリカへ最初の移民がやってきたとき2頭の犬を連れていたが、その1頭がコッカー・スパニエルだったといわれている。
その後も移民が到着するたびにコッカー・スパニエルがアメリカへもたらされた。
その中にマールボロー系のスパニエルが含まれており、この系統の犬は小柄で頭部が丸く、マズルが短く、大部分が愛玩用として飼育され、猟用のスパニエルとタイプがちがっていた。
これが後にアメリカン・コッカー・スパニエルの誕生の背景となっている。
しかしアメリカでショーが始まった1870年代から1945年まで、このタイプの犬とイングリッシュ・コッカー・スパニエルがコッカー・スパニエルとして審査されていた。
この年アメリカン・ケネル・クラブはイングリッシュ・コッカーは別犬種であると宣言し、展覧会でも別区分とした。
またディズニー・プロダクションが製作した映画『わんわん物語』でアメリカン・・コッカー・スパニエルが主人公となったことから、世界中に知られるようになった。
わが国では昭和30年代から人気犬種となり現在に至っている。
■一般外貌
アメリカン・コッカー・スパニエルは鳥猟犬種の中で最も小型の犬種である。
しっかりした、コンパクトなボディであり、見事に彫が深く洗練された頭部をもち、理想的なサイズで全体として完全にバランスがとれている。
真っ直ぐな前脚の上に肩があり、トップラインは力強く筋肉質で、程よい角度の後身体躯へ向かってわずかに傾斜する。相当なスピードと卓越した耐久性を兼ね備えている。
とりわけ自由で、快活で、健全でなければならず、全体的バランスがよく、活動する時は作業に対して熱心である。
長所と欠点のはっきりとした犬よりも全体的にバランスがとれた犬の方がより望ましい。
重要な比率
体長は、体高よりわずかに長い。
ボディは真っ直ぐで自由な歩様を可能にするだけの十分な長さを有さなければならず、決して長く見えたり、低く見えたりしてはならない。
■習性/性格
穏やかな気質で、臆病ではない。
頭部(ヘッド)
よいプロポーションの頭部であるためには、ほかの部分とバランスがとれていなくてはならない。
利口で、注意深く、優しく、魅力的な表情を持つ。
頭蓋部(クラニアル・リージョン)
スカル
過度にならない程度の丸みがあり、平坦ではない。
眉はたいへん明瞭である。眼下の彫りはすっきりしている。
ストップ
明確である。
顔 部(フェイシャル・リージョン)
鼻(ノーズ)
マズルと前顔部のバランスを保つのに十分な大きさで、よく発達した鼻孔は、鳥猟犬種の典型である。
ブラック、ブラック&タン、ブラック&ホワイトの被毛の犬では色はブラックである。
他の毛色の場合、ブラウン、レバー又はブラックであり、濃い方が望ましい。鼻の色は眼縁の色と同色である。
マズル
幅広く、厚みがある。正確なバランスは、ストップから鼻先までの距離が、ストップから頭頂をこえ、オクシパットまでの長さの半分である。
唇(リップス)
上唇は発達し、下顎を覆うだけの十分な深さがある。
顎/歯(ジョーズ/ティース)
顎はスクエアで平らである。
歯は強く健全で、小さすぎず、シザーズ・バイトである。
頬(チークス)
突出しない。
目(アイズ)
眼球は丸く、大きく、真っ直ぐ前を向く。
眼縁はややアーモンド型の外見をしている。眼は弱々しかったり、ぎょろぎょろしていてはならない。
虹彩の色はダーク・ブラウンであり通常濃い方が望ましい。
耳(イヤーズ)
ロビュラーで、長く、きめ細かい耳朶をもち、十分な飾り毛で覆われている。
眼の下部のラインより高く位置することはない。
頸(ネック)
鼻が地面に容易に達する十分な長さがあり、筋肉質で、たるんでいない。
肩から力強く持ちあがり、わずかにアーチし頭部に向かうにしたがって先細りになる。
ボディ
トップライン
筋肉質な後躯に向かって僅かに傾斜する。
胸(チェスト)
深く、一番深い胸底は肘より高くはならない。
フロントは心臓及び肺が収まるのに十分な幅があるが、前脚の真っ直ぐな歩様を妨げるほどではない。
肋は深く十分に張っている。
尾(テイル)
断尾した尾は背のトップライン上か、わずかに高く保持されるが、決してテリアのように直立したり、臆病さを示すほど低くはない。
活動時には尾の動きは快活である。
四肢(リムズ)
前肢(フォアクォーターズ)
前肢は平行しており、真っ直ぐで、頑丈な骨を持つ。
筋肉質でボディに密接し、肩甲骨の真下に位置している。
肩(ショルダーズ)
前脚を容易に前方へ十分伸ばせるように、肩は後方によくレイバックし、上腕と約90度の角度をなす。
肩はすっきりとし、隆起せずに傾斜し、キ甲の上部は肋が幅広く張ることを可能にする角度である。
腕(アームズ)
きわめて筋肉質である。
肘(エルボーズ)
側望すると前脚は垂直であり、肘はキ甲の最高点の真っ直ぐ下に位置する。
中手(パスターン)(メタカーパス)
短く力強い。前脚のデュークローは取り除いてもよい。
後 肢(ハインドクォーターズ)
後望すると後脚は運動時、休息時ともに平行である。
力強い骨格で、筋肉質である。
尻(ヒップス)
幅広く、後躯は十分な丸みがあり、筋肉質である。
大腿(アッパー・サイ)
力強く、明確である。
膝(スタイフル)
良好な角度があり、力強く、活動時、立姿時とも膝蓋骨は滑ってはならない。
飛節(ホック)
頑丈で低い。後脚のデュークローは取り除いてもよい。
足(フィート)
引き締まり、大きく、丸く、堅いパッドをもつ。
内外向しない。
■歩様(ゲイト/ムーブメント)
アメリカン・コッカー・スパニエルは最も小さい鳥猟犬種であるが、典型的な鳥猟犬種の 歩様をする。良い歩様に必要な条件は、前肢と後肢のバランスである。
頑丈で力強い後肢の推進力と良好な角度に構成された肩と前脚により、十分なストライドが、妨げることなく後肢の推進力とバランスをとり前方に伸びる。
調整のとれた、滑らかで、無理のない歩様で、十分にグランド・カバリングする。
速すぎる動きを、正しい歩様であると取り違えてはならない。
被毛(コート)
毛(ヘアー)
頭部は短く、美しく、ボディは中位の長さで、保護するための十分な下毛がある。
耳、胸、腹及び脚に十分な飾り毛があるが、コッカー・スパニエルの本来の線や動き、外見、及び機能を隠すほど過剰ではない。
過度な被毛をもつ鳥猟犬種としての毛質は最も重要である。
被毛は絹糸状で、真っ直ぐか又はわずかにウェーブがかっており、手入れは容易である。 過剰に被毛があったり、カーリーであったり、綿状の毛質である場合には厳しくペナルティが課せられる。
背中の被毛にバリカンを使用することは望ましくない。
犬の本来の線を高めるようなトリミングは、できるかぎり自然に見えるようにすべきである。
毛色及びマーキング(カラー&マーキング)
ブラック・バラエティー
ブラックの単色、タン・ポイントのあるブラックを含む。ブラックはジェット・ブラック(純黒)でなければならない。
被毛のブラウン及びレバーの色調は望ましくない。胸及び喉にみられる少量のホワイトは許容される。
他の部分でのホワイトは失格となる。
ブラック以外の単色(アスコブ・バラエティー)(Any Solid Colour Other then Black(ASCOB)) ブラック以外の単色であり、たいへん明るいクリームからたいへんダークなレッドまである。
ブラウン及びタン・ポイントのあるブラウンも含む。
色は一様でなくてはならないが、 飾り毛の明るい色調は許容される。
胸及び喉にみられる少量のホワイトは許容される。
他の部分でのホワイトは失格となる。
パーティ・カラー・バラエティー
二色以上の明確にはっきりと区別できる単色で、そのうち一色はホワイトでなくてはならない。
ブラック&ホワイト、レッド&ホワイト(レッドはたいへん明るいクリームからたいへんダークなレッドまでの色調)ブラウン&ホワイト及びローン。
それぞれの色のタン・ポイントを含む。
タン・マーキングはブラックやアスコブ・バラエティーのタン・ポイントと同じ位置にあることが望ましい。
ローンはパーティ・カラーに分類されるが、通常どのようなローン・パターンでもよい。
基本色が90%以上を占めるものは失格となる。
タン・ポイント
タンの色はたいへん明るいクリームからたいへんダークなレッドまであり、基本色の10%以下でなければならない。
これを上回るタン・マーキングは失格となる。
ブラック又はアスコブのタン・ポイントの場合、次の部分になければならない。
1) 両目の上の明確なタン・スポット
2) マズル及び頬の両側
3) 両耳の裏側
4) 足及び脚
5) 尾の裏側
6) 胸部:あってもなくてもよい。
タン・マーキングは、明瞭でないものや、わずかしか見られないものはペナルティーとなる。
ブラック及びアスコブでタン・マーキングが定められた場所にない場合と、定められた場所以外にある場合は失格となる。
■サイズ
理想的な体高は牡で38.1cm、牝で35.6cmである。
これより1.25cm上下してもよい。牡で39.4cm、牝で36.8cmを上回る場合、失格となる。
牡で36.8cm、牝で34.3cmを下回る場合、ペナルティーが課される。
■欠点
上記の点からいかなる逸脱も欠点と見なされ、その欠点の重大さは逸脱の程度に比例するものとする。
■失格
・ 色及びマーキング:前述した色が唯一許容される色及び色の組み合わせである。これ以外の色及び色の組み合わせは失格となる。
・ ブラックバラエティー:胸と喉以外のホワイト。
・ アスコブ・バラエティー:胸と喉以外のホワイト。
・ パーティー・カラー・バラエティー:基本色が90%以上のもの。
・ タン・ポイント:
1) 10%を越えるタン・マーキング。
2) ブラック又はアスコブの特定の場所におけるタン・ポイントの欠如、またはそれ 以外の場所にあるタン・ポイント
・ 体高:
    牡 39.4cmを越えるもの。
    牝 36.8cmを越えるもの。
・ 陰睾丸。