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ブラジリアン・ガード・ドッグ (Brazilian Guard Dog)
FCI スタンダード No.225
■原産地
ブラジル
■用途
番犬、伴侶犬
■FCI分類
グループ2 ピンシャー&シュナウザー、モロシアン類、スイス・マウンテン・ドッグ&スイス・キャトル・ドッグ、関連犬種
セクション2 モロシアン類
■沿革
南米大陸は歴史的に犬とかかわりがとぼしく、その上どの国も建国して日が浅く、自国原産犬種を持っている国が少ないが、その中にあってアルゼンチンのドゴ・アルヘンティーノとともにこのブラジリアン・ガード・ドッグは、珍しい南米大陸の犬である。
17世紀にブラジルへやってきた、ポルトガルやスペインの征服者によって、この地へもたらされたスペイン・マスティフ、ボルドー・マスティフ、ブラッドハウンド、ブルドッグ、マスティフなどの交雑によって作出され、そのするどい嗅覚で熱帯雨林にのがれた犯人追跡や家畜の番犬として使用されてきた。
都市化が進むにつれて、その役割が次第に変わったことから、性格や体格の改良がはかられ、現在はショー・ドッグとしても愛育されている。
ブラジル、アルゼンチンで多く飼育されている。
■一般外貌
典型的なモロシアン・タイプの犬種。
骨格は頑丈で、体系は長方形でコンパクトであるが、調和がとれ、均整がとれている。
がっしりしていると同時に動作が非常に俊敏であることが容易に観察できる。
牡と牝とは明確に異なる牝特有の特徴を十分に示さなければならない。
勇気と決断力があり、並外れて勇敢であることを特徴とする。
飼い主及びその家族に対しては従順で、子供に対しては大変我慢強い。
その忠義心はブラジルの諺にもなっている。常に飼い主に連れ添うことを望む。
見知らぬ人に対する不信(言語でojeriza)が特徴の一つである。穏やかな性格で、慣れない物音や新しい状況にも動じない自信と落ち着きがある。
優れた番犬の気質を有し、本能的に大型の獲物を狩猟し家畜を駆り立てることに専心する。
頭部(ヘッド)
大きく、重く、がっしりしており。
常にボディとのバランスがとれている。上望すると、頭部はナシ型を埋め込まれたような台形の外観を呈する。
側望すると、マズルとスカルの長さの比は約1:1であるが、スカルよりマズルの方が僅かに短い。
頭蓋部(クラニアル・リージョン)
スカル
スカルを側望すると、ストップからオクシパット(後頭部)にかけて滑らかなカーブを描く・オクシパットは隆起するが、これは子犬において顕著である。
前望すると、スカルは大型で幅広く、上部の輪郭がわずかにカーブしている。側面のラインはマズルに向かって狭くなるカーブを描くが、ほぼ垂直である。
ストップはまったく認められない。
ストップ
前望するとほとんどその存在が認められない。
中央の額溝は僅かに認められ、滑らかに上昇する。
側望すると、低く、傾斜しており、実際にはよく発達した眉によってのみ形成される。
顔部(フェイシャル・リージョン)
表情(イクスプレッション)
休息時は穏やかで、気品があり、自信に満ちている。
退屈そうな表情や、ぼんやりとした表情をすることは決してない。
注目している時は意志の強さと注意深さが表情に表れ、しっかりとした目つきをしている。
鼻(ノーズ)
十分に発達しており、鼻孔は幅広い。
鼻の幅は上顎の全幅に達しない。
色:ブラック。
マズル
頑丈で、幅広く、深く、常にスカルとの調和を保つ。
上望すると眼窩において最も幅広く、マズルの中央部に向かって僅かに狭くなり、前部のラインに向かって再び僅かに広くなる。
側望すると鼻の輪郭は真っ直ぐ、あるいはローマン・ノーズであるが、上向きに反り返ることはない。
マズルの前部のラインは鼻の真下に窪みがあるが垂直近く、上唇に完全に連続するカーブを描く。上唇は厚く、垂れて下唇を覆い、マズルの下部のラインを形成するが、このラインは上部のラインとほぼ平行である。
口唇は常に明瞭である。下唇は犬歯の部分までは閉じて締まっているが、そこを過ぎると緩み、末端では下降している。
マズルの付け根の部分では非常に深いが、それでも深さが長さを超えることはない。
前望すると、唇はU字を逆さにした形をしている。
歯(ティース)
長いというよりは幅が広くて力強く、白い。上顎の切歯は歯根部では幅広く、先端は鋭い。
犬歯は力強く、しっかり生え、歯間は十分にある。シザーズ・バイトが理想であるが、レベル・バイトも許容される。
目(アイズ)
中位から大型の大きさでアーモンド形をしている。
両目の間隔十分に離れ、程よく深く付く。
ダーク・ブラウンからイエローまでの色が認められるが、常に被毛の色と一致する。皮膚の緩みが著しいため、下瞼が垂れる犬も多いが、こうした特徴は本犬種に特徴的な哀愁をおびた表情をより豊かにするので欠点とはならない。
耳(イヤーズ)
垂れており、大きく、厚く、V字型である。
付け根では幅広く、先端に近づくにつれて次第に狭くなる。
先端は丸い。
スカル後部に付き、休息時は、目と同じ高さに位置する。緊張時には上記の当初の位置より高くなる。
斜めに付き、前面のラインの位置の方が背面のラインの位置よりも高い。
頬に垂れるか、耳の内部が見えるように後方に折りたたむ。
頸(ネック)
並外れて力強く、筋肉質で、頸の短い印象を与える。
上側はわずかにカーブし、スカルとははっきり区分けされる。喉にデューラップがある。
ボディ
頑丈で、幅広く、深い。厚く緩い皮膚で覆われている。
胸郭は腹部より長い。肩端から座骨端までの体長は、体高に10%をくわえた長さに等しい。
トップライン
キ甲は傾斜するライン上にある。
左右の肩甲骨が離れているため、左右のキ甲も十分離れて位置している。
キ甲は尻より低く位置する。キ甲の後方ではトップ・ラインの向きが変わり尻に向かって滑らかに上昇する。
背のラインはスウェイ・バックやローチ・バックの傾向はない。
胸郭(ソーラックス)
助骨は十分に張っているが、肩の位置を妨害しない。
深く大きな胸部は肘の高さまで下がっている。前胸は十分に張りだしている。
腰(ロイン)
胸郭よりも短く浅い。
そのため腰と胸郭の区別は明確である。
牝では腰の下部がより発達している。
上望すると腰は胸郭や尻より狭いが、ウエスト・ラインは形成しない。
尻(クループ)
幅広く、長く、水平に対しておよそ30度は角度があり、滑らかなカーブを描く。
後望すると尻の肉付きは十分で,胸郭とほぼ同じ広さであるが、牝においては胸郭より幅広くても認められる。
ローワー・ライン
胸部は長く、アンダーラインは全長にわたって地面と平行である。
わずかに巻き上がっているが、ウィペットのようではない。
尾(テイル)
付け根は非常に太く、中位の高さに付くが、ホックに達すると急激に細くなる。
緊張時には尾を高く掲げ、先端のカーブより顕著である。
背上に巻いて保持してはならない。
四肢(リムズ)
前肢(フォアクォーターズ)
肩は同じ長さの2本の骨(肩甲骨と上腕骨)から構成され、肩甲骨の角度は45度で、肩甲骨と上腕骨の角度は90度でなければならない。
肩甲骨と上腕骨の関節が肩端を形成し、前胸骨と同じ高さであるが、やや後方に位置する。
片端は肘とキ甲の中間に位置するのが理想である。
キ甲から下方に伸ばした想像上の垂線は肘と交差し、足に達しなければならない。
脚(レッグズ)
骨は頑丈で、両脚は平行でパスターンに向けて真っ直ぐである。
手根は短く頑丈で、明瞭な中手はわずかに傾斜している。
地面から肘までの長さは地面からキ甲の長さの50%である。
足(フィート)
頑丈で、十分にアーチし、互いに密着しすぎない。
パッドは厚く、幅広い。
指趾は前方を向いているのが理想である。
爪は頑丈で、色は濃いが、指趾の色がホワイトの場合はホワイトの爪も許容される。
後肢(ハインドクォーターズ)
前肢ほど骨太ではないが、全体として華著ではない。
大腿の輪郭はカーブを描き、腸骨及び座骨から伸びる頑強な筋肉によって形作られる。
後肢の輪郭を形成するため、坐骨は十分な長さが必要である。
後肢は平行で、足根は力強く、中足骨はわずかに曲がり中手骨より高い。
スタイフル及び飛節は適度な角度をもつ。
後足(ハインド・フィート)
前足よりもややオーバル(卵形)であるが、全体の描写は同様である。
デュークローがあってはならない(第5の趾)。
■歩様(ムーブメント)
リーチは長く、しなやかな歩様である。
滑らかな歩様は大きな猫の歩様を思わせる。
主な特徴としてはペース歩様とは左側の前肢と後肢、、右側の前肢と後肢それぞれが正確に同時に前後に動く2ビートの側対歩で、身体は前後左右に揺れ(ラクダ歩様と呼ばれる)、トップラインから尾に至る部分の動作が強調される。
歩行中は頭部を背より低く保持する。
トロットは滑らかで、軽快で、力まず、そのストライドは力強い。
ギャロップは力強くこれだけ大型で重量のある犬からは想像できない速度で疾走する。
モロシアン・タイプの犬種の特徴である、緩い関節をもつため、その歩様は即座に方向転換が可能という印象を与えており、実際その通りである。
皮膚(スキン)
最も重要な犬種の特徴の一つが全身を覆う厚い緩い皮膚である。
主に頸に著しいデューラップを形成し、前胸や腹部にもしばしば見られる。
頭部の側面にひだを形成するものや、またキ甲から肩にかけてひだを形成するものもある。
休息時には頭部にしわが無い。
警戒時にはスカルで皮膚の収縮がおき、スカル上を縦に走る小さなしわを形成する。
■被毛(コート)
毛(ヘアー)
短く、滑らかで、密生しておりボディに密着している。
毛色(カラー)
失格となる毛色(ホワイト及びマウス・グレー)(斑をもつ犬及びダップル・コート)以外の全ての単色が許容される。
単色の地色にブリンドルが混じっている犬は、それよりも淡いストライプあるいは非常に濃いストライプをもつ場合がある。
ブラックマスクはある場合も無い場合もある。
認められた全ての毛色について、指趾、胸部、尾の先端の白斑は容認されている。
その他の部位において白斑は望ましくない。
全身の4分の1を超える白斑はペナルティが課せられる。
■サイズ
体高
 牡:65〜75cm
 牝:60〜70cm
体重
 牡:最低 50kg
 牝:最低 40kg
■欠点
上記の点からいかなる逸脱も欠点とみなされ、その欠点の重大さは逸脱の程度に比例するものとする。
■重大欠点(serious faults)
・ 背上に保持された巻いた尾。
■最重要欠点(very serious faults)
・ 小さい頭部。
・ 出目。
・ 背のラインが水平(知りに向かって上がっていない)。
・ 最大体高を超える(牡75cm、牝70cm)
・ 全身の4分の1を超える白斑。
・ 目縁の色素沈着の欠如。
■失格
・ 臆病。
・ ピンクの鼻。
・ オーバーショット。
・ 口を閉じた際に歯が見えるアンダーショット。
・ 検視1本、第3後臼歯を除いた後臼歯1本の欠歯。
・ ブルーアイ(磁気のような)。
・ 断耳または断尾。
・ 尻がキ甲より低い。
・ 全体が白の犬、マウス・グレー、班がある犬、ダップル・コート(マール)。
・ 最低体高以下(牡65cm、牝60cm)。
・ 緩んだ皮膚の欠如。
・ 典型的なペース歩様(ラクダ歩様)でない。
・ アルビノ。
・ 陰睾丸。