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ベルジアン・シェパード・ドッグ (Belgian Shephherd Dog)
FCIスタンダード No.15(大型犬、長毛種、ポインティングドッグ グループ)
■原産地
ベルギー
■用途
元来シープドッグであるが、家庭犬のみでなく、今日はワーキング・ドッグ(護衛、防衛等) 並びにあらゆる目的に用いられるサービス・ドッグとして用いられる
■FCI分類
グループ1 シープドッグ&キャトル・ドッグ(スイス・キャトル・ドッグを除く)
セクション1 シープドッグ
■沿革
ベルギーでは、1800年代の終わり頃、タイプも様々で、被毛が極めて異なる牧羊犬群が存在した。
この状況を改善するため、何名かの熱心な愛犬家がグループを形成し、 Cureghem獣医学校のA・Reul博士から指導を求めた。
彼はこの犬種の真の開拓者且つ設立者と目されている人物である。
この犬種は1891年から1897年の間に正式に確立された。
1891年9月29日、ブリュッセルにベルジアン・シェパード・ドッグ・クラブが設立された。
同年11月15日には、A・Reul博士はCureghem獣医学校に117頭の犬を集めたので調査と繁殖が可能になった。
翌年には、実際に繁殖のプログラムを開始し、何頭かの種牡を用いて非常に近い血筋同士の交配を行った。
1892年4月3日には、ベルジアン・シェパード・ドッグ・クラブにより最初の詳しいブリード・スタンダードが作成された。
3つの被毛のバラエティーを有する1犬種が認められた。しかしながら、 その頃言われていたようにベルジアン・シェパードはまだ一般庶民にしか知られていなかったにで、 地位を確立することはできなかった。
結果として、1901年になるまでベルジアン・シェパードはベルギーKCのスタッド・ブックに登録を許可されなかった。
翌年以降、ベルジアン・シェパードの愛好家の間で、タイプを統一させ、欠点を正すという原動力が働き出した。
ベルジアン・シェパードのタイプと気質は1910年頃までに確立されたと言える。
ベルジアン・シェパード・ドッグの歴史上、認められたいくつかのバラエティーや毛色について、多くの白熱した議論が行われた。
一方、形態や気質、作業への適正については意見の相違が生じたことはない。
■一般外貌
ベルジアン・シェパード・ドッグは形態的に中庸な犬で、プロポーションの調和が取れ、上品さと力強さを兼ね備え、中型で、筋肉は引き締まり、力強い。
体型はスクエアで、剛健で、戸外での生活に慣れており、ベルギーの変わりやすい気候に耐えうる体躯をしている。
均整の取れた体型と誇らしげに掲げられた頭部により、作業犬として改良繁殖された先祖伝来の特徴であるエレガントで力強い印象を与える。
ベルジアン・シェパード・ドッグはハンドラーが肉体に触れることなく、自然な立姿で審査されるべきである。
■重要な比率
体型はスクエアである。胸は肘まで下りている。
マズルの長さは、スカルの長さに等しいか、僅かに長い。
■習性/性格
ベルジアン・シェパード・ドッグは注意深く、活動的な犬である。又、活力に満ち、常に次の行動に移る用意ができている。
群れを守るという生来の能力に加え、土地や財産を守る最高の番犬としての高い質を備えている。いささかもためらうことなく、 主人を頑強に熱心に護衛する。
牧羊犬や護衛犬、防衛犬、サービス・ドッグに必要とされる質を全て兼ね備えている。
活き活きとした気質や機敏さ、自信のある態度そして臆病でも凶暴でもない性格は、 物腰や誇り高く注意深い表情をたたえた目の輝きに見て取れなければならない。
審査の際には、「落ち着き」と「大胆さ」を考慮する。
■頭部(ヘッド)
高く掲げられ、過度にならない程度に長く、輪郭は丸みを帯びず直線的で明瞭で、皮膚は引き締まっている。
スカルとマズルは長さがほぼ等しいか、マズルの方がごく僅かに長く、それが最終的に頭部全体の印象えお決める。
□頭蓋部(クラニアル・リージョン)
中位に幅で、頭部の長さと釣り合いが取れ、額は丸みを帯びているというよりは、平らである。額溝は目立たない。
側望すると、スカルとマズルは平行であり、オクシパットの隆起はほとんどなく、眉弓と頬骨弓は目立たない。
ストップ
ほどよいストップがある。
□ 顔部(フェイシャル・リージョン)
鼻(ノーズ)
ブラック。
マズル
中位の長さで、眼の下の膨らみはなく、皮膚が引き締まりすっきりしている。
鼻先に向かって徐々に細くなり、 くさびを長くしたような形である。
鼻梁は真っ直ぐで、スカルと平行である。
口はよく割れている。
つまり、口を開いた時、口角が奥の方にあり、口を大きく開くことが出来る。
唇(リップス)
薄く、引き締まっており、色素が濃い。
顎/歯(ジョーズ/ティ−ス)
歯は強く、白く、正しい歯列で、よく発達した顎にしっかりついている。シザーズ・バイトだが、 牧夫に好まれるピンサーズ・バイトも許容される。
歯列は完全である。
第1前臼歯の2本の欠歯は許容される。
第3後臼歯の欠歯は欠点としない。
頬(チークス)
引き締まってかなり平らであるが、筋肉が発達している。
目(アイズ)
大きさは中位で、出目でも奥目でもない。
僅かにアーモンド形で、斜めについている。色は褐色で、ダークであるほど好ましい。
目縁は黒い。
目の表情は率直で、活き活きとしており、利口そうで、問いかけるような眼差しをしている。
耳(イヤーズ)
どちらかというと小さく、頭部に高く付き、すっきりとした三角形で耳朶の縁はよく丸みを帯び、先端は尖り、固い。
警戒時には、真っ直ぐ垂直に保持される。
■頸(ネック)
とても自由に動き、やや細長く、どちらかというと起こして保持し、筋肉が発達し、肩に向かって徐々に幅広になる。
デューラップはなく、うなじは僅かにアーチしている。
■ボディ
力強く、重々しくはない。
体長は体高とほぼ等しい。
□ トップライン
背と腰のトップラインは真っ直ぐである。
□キ甲(ウィザーズ)
明瞭である。
□背(バック)
堅固っで、短く、筋肉が発達している。
□ 腰(ロイン)
がっしりしており、短く、十分な幅があり、筋肉質である。
□ 尻(クループ)
筋肉質で、ほんのわずかに傾斜しており、十分な幅があるが、広すぎない。
□ 胸(チェスト)
あまり幅広でないが、胸深は深い。
肋は上部がアーチしている。前望すると、前胸は幅広くないが、狭すぎることもない。
□ アンダーライン
胸底から腹部に向かってなめらかに緩いカーブを描く。
腹部はたるんでもおらず、巻き上がってもいないが、 僅かに上がっており、適度に発達している。
■尾(テイル)
尾付きはしっかりとし、根元は強く、ほどよい長さで、少なくとも飛節まで達し、飛節を超える方が好ましい。
休息時には、垂れて尾先は飛節の高さでやや後ろにカーブしている。
活動時には更に上に掲げられるが、 水平線を越えることはなく、尾先のカーブはより強くなるが、決してフック状になったり、横にそれたりはしない。
■四肢(リムズ)
□ 前肢(フォアクォ−ターズ)
外貌(ジェネラル・ビュー)
骨格はしっかりしているが、重々しくない。
筋肉はしっかりと張り、力強い。どこから見ても良好な角度構成で、 両前脚は前望すると完全に平行である。
肩(ショルダー)
肩甲骨は長く、傾斜し、ボディにしっかりついている。
上腕との角度は十分で、110度から115度が理想的である。
上腕(アッパー・アーム)
長く十分に傾斜している。
肘(エルボー)
しっかりとし、内向も外向もしていない。
前腕(フォアアーム)
長く、真っ直ぐである。
手根(カーパス)
たいへんしっかりし、すっきりしている。
中手(パスターン)(メタカーパス)
力強く、短い。地面に対してできるだけ垂直であるか、またはごく僅かに前方に傾斜する。
足(フィート)
丸く、猫足で、指はアーチし、緊握している。
パットは厚く、弾力がある。爪はダークで太い。
□ 後肢(ハインドクォーターズ)
外貌(ジェネラルビュー)
力強いが、重々しくなく、側望すると、角度構成は良好で、後望すると両後肢は完全に平行である。
大腿(アッパー・サイ)
ほどよい長さで、幅広く、筋肉がよく発達している。
膝(スタイフル)
寛骨のほぼ真下にあり、良好な角度である。
下腿(ローワー・サイ)
ほどよい長さで、幅広く、筋肉質である。
飛節(ホック)
地面に近く、幅広で、筋肉質であり、ほどとい角度である。
中足(リア・パスターン)(メタターサス)
しっかりとし、短い。デュ−クローは好ましくない。
足(フィート)
ややオーバル(楕円形)気味である。
趾はアーチし緊握している。
パッドは厚く、弾力がある。爪はダークで、太い。
■歩様(ゲイト/ムーブメント)
動きは活発で自由な歩様である
。ギャロップで駆ける時は見事だが、普段はウォ−クか特にトロットの歩様である。
四肢はボディの中心線に対して平行に動く。
スピードを増すと、中心線に近づく。
トロットは、ほどよい歩幅で、動きは均整が取れ、軽やかで、後脚の推進力は十分で、トップラインは安定しており、 前脚は高く上がらない。
絶え間なく動いても、疲れを見せない。
歩様は敏捷で、しなやかで、活発である。
又、全速力で走っていても、急激に向きを変えることができる。
活力に溢れ、保護、護衛する欲求があるので、 サークル状に動く傾向がある。
□ 皮膚(スキン)
しなやかであるが、全体にぴんと張っている。
唇と眼瞼は色素が濃い。 被毛の長さや植生角度、状態、毛色にバラエティーがあり、これらを基準として、4つのバラエティーに分類される。
:グローネンダール、タービュレン、マリノア、ラケノア。 これらの4つのバラエティーは別々に審査され、格々賞位が与えられる。
□ 被毛(ヘアー)
全てのバラエティーにおいて、被毛は密で、質が良く、ウール状の下毛が皮膚を十分に保護している。
A.長毛 グローネンダール、タービュレン
頭部、耳朶の外側、脚の下部の被毛は短い。但し、前腕の後部は肘から手根にかけてフリンジと呼ばれる長毛に覆われている。
ボディの他の部分の被毛は長く、なめらかである。頸周りと前胸の被毛はより長く、豊富で、ラフやエプロンを形成する。
耳朶の内側は、叢状の被毛に覆われている。
耳の基部から始まる起立した被毛が、頭部を縁取っている。
大腿の後ろはたいへん長い豊富な被毛で覆われており、キュロットを形成する。
尾は長く豊富な被毛に覆われており、 プルームを形成する。
B.短毛 マリノア
頭部並びに耳朶の外側、脚の下部の被毛はたいへん短い。
ボディの他の部分は短く、尾と頸周りは被毛がより豊富で、 頸周りは耳の付け根から喉にかけてラフが形成されている。
大腿の後ろはより長い毛で飾られている。
尾の被毛は穂状だが、 プルームは形成しない。
C.粗毛 ラケノア
このバラエティーの特徴は、粗剛毛であり、更にざらざらと粗い毛が起立し乱れていることである。 全体的に6cmほどの長さがあるが、マズルの上部、前頭部、脚の被毛はより短い。
眼の周りの被毛やマズルの飾り毛は、 頭部の形を覆い隠すほど長くはない。
しかしながら、マズルには飾り毛がなければならない。
尾はプルームを形成してはならない。
□ 毛色(カラー)
マスク
タービュレンとマリノアは、マスクがたいへん明瞭で、上下の唇、口角、眼瞼はブラックのマスクの傾向がある。 最低限、皮膚の6箇所に色素沈着が見られることが厳しく求められる。
つまり、両耳、両上眼瞼、上下の唇が ブラックでなければならない。
ブラック・オーバーレイ
タービュレン、マリノアはブラックオーバーレイ(被毛の先が黒くなっている)があり、地色に陰影を与えている。
この黒はあくまで「炎形の模様」として現れるのみであって、斑やストライプ(ブリンドル)にはならない。
ラケノアにおいては、ブラック・オーバーレイはあまり目立たない。
グローネンダール
ブラックの単色のみ。
タービュレン
ブラック・マスクで、フォーンにブラック・オーバーレイ、或いは、ごく淡いイエローにブラック・オ−バーレイだが、 フォーンにブラック・オーバーレイが好ましい。
フォーンは暖色系の強い色合いで濃くなければならず、明るい色のものや、 色褪せたようなものは好ましくない。
フォーン以外の毛色にブラック・オーバーレイがあるものや、 理想とされる色の濃さが見られないものは良い見本とはみなされない。
マリノア
フォーンにブラック・オーバーレイで、ブラック・マスク。
ラケノア
フォーンで、僅かなブラック・オーバーレイが主にマズルと尾に見られる。
全てのバラエティー
前胸と指趾に僅かにホワイトが見られるには許容される。
■サイズ
□体高
理想体高
  牡:平均62cm
  牝:平均58cm
下腿2cmまで。上限4cmまで。
□ 体重
  牡:約25〜30kg
  牝:約20〜25kg
□ 測定
牡の成犬の場合
・体高:平均62cm
・体長:62cm
・頭長:25cm
・吻長:12.5〜13cm
■欠点
上記の点からのいかなる逸脱も欠点と見なされ、その欠点の重大さは逸脱の程度に比例するものとする。
□ 被毛
4バラエティー共通
下毛の不足。
グローネンダール及びタービュレン
ウール状の被毛。カールしている被毛。十分な長さのない被毛。
マリノア
被毛の短くなければならない部分が、セミロングのもの。
極短毛でボディに密着した被毛。
短毛の中に粗剛毛の散っているもの。
ウェーブ状の被毛。
ラケノア
長すぎる被毛。シルク状の被毛。
ウェーブ状の被毛。
縮れ毛や短毛。
粗剛毛の中に房状の細い被毛が散っているもの。
目の周りやマズルの被毛が長すぎるもの。
尾がふさふさしすぎているもの。
□ 毛色
4バラエティー共通
胸にホワイトのマーキングが胸当てのように広がっているもの。
指趾を超えて広がったホワイト。
グローネンダール
被毛に赤味がさしているもの。
グレーのキュロット。
タービュレン
グレー。
タービュレン及びマリノア
ブリンドル。フォーンに暖色系の強い色合いが不足しているもの。
ブッラク・オーバーレイが不足しているものや、 強すぎるもの、またボディに斑になっているもの。
マスクが十分でないもの。
タービュレン、マリノア及びラケノア
フォーンが明るすぎるもの。
地色が非常に薄い、すなわちウォッシュト・アウトと呼ばれるものは重大な欠点とみなされる。
性格
自信のないものや神経過敏なもの。
■失格
□性格
攻撃的。臆病。
□ 歯
オーバー・ショット。アンダーショット(逆シザーズ・バイトを含む)。
乱抗歯。犬歯の1本の欠歯。
裂肉歯1本の欠歯(上顎の第4前臼歯1本、あるいは下顎の第1後臼歯1本の欠歯)。
後臼歯1本の欠歯(第1後臼歯1本あるいは第2後臼歯1本の欠歯で、第3後臼歯は除く)。
第3前臼歯1本プラス他の歯1本の欠歯。合計3本以上の欠歯(第1前臼歯を除く)。
□ 鼻、唇、眼瞼
色素沈着が極めて不足しているもの。
□ 耳
垂耳。人為的な立耳。
□ 尾
先天的無尾あるいは短尾。
断尾された尾。
高く掲げられた尾。
輪状尾。
巻尾。
□ 毛色
各バラエティーの毛色に合致しないもの。
前胸にあるホワイトの広がりが、頸にまで上がっているもの。 足に入っているホワイトが前脚や後脚のパスターンの中間を越えて上がり、ソックスを形成しているもの。
前胸或いは指趾以外の場所にホワイトのマーキングが入っているもの。
タービュレン及びマリノアにおけるマスクの欠如、及び逆マスク。
□ サイズ
オーバーサイズ。アンダーサイズ。
□ その他
陰睾丸。
バラエティー間の交配
バラエティー間の交配は、国内のケネルクラブがこれに同意した特別な場合を除いて禁止されている。
(1974年、パリにおいて合意)